静止画から動画へ

 4月21日(火)早朝、ビッグニュースが飛び込んできました。福音伝道教団の歴史の調査過程でメールの交換をはじめたイギリス在住のグリーン・ビビアン・マイナーズ・ミッシオン(現在のインターナショナル・マイナーズ・ミッション)のS氏からのメールでした。
 福音伝道教団設立の重要な働きが始まったのは、今から約100年前の1907年栃木県足尾町でした。ここに、グリーン・ビビアン・マイナーズ・ミッションから派遣されたイギリス人宣教師ヘンリー・レイモンド・ワンセーとその妻ベアトリーチェが日本人牧師石崎貞作とともに伝道を開始しました。やがて、栃木、埼玉、群馬の三県伝道のビジョンにつながり福音伝道教団が誕生しました。

         「100年前の足尾宣教館の看板」
 その年即ち1907年8月、ワンセー夫妻に長男ポールが誕生しました。実はそのポールさんお孫さんが現在ニュージーランドに住んでいて、5月足尾を訪問するために日本にくると言う情報でした。約30年近く教団の歴史に興味を持って調査と研究を続けていますが、なにせ100年前のこと、資料は乏しく、なかなか宣教師ワンセー師とその家族のことは霧に包まれたようなおぼろげな理解を超えることができず、足の裏を靴の底をから掻くようなムズムズ、イライラ感が払拭できずにいました。しかし、そのひ孫のN氏が曽祖父の足跡を訪ねて足尾に来るというのです。本当に驚きましたし、電撃に撃たれると言うのはこのような感じなのかなと思いました。
 この情報を目にした途端、100年前の出来事が一気にズームアップしてくるのを感じました。又、今までは過去の朦朧とした出来事、平面的なのっぺりとしたものが、立体的に浮き出て、今にも出来事が動画のように動き出すような不思議な感動でした。         
      廃村になった松木村から足尾ダムを望む
 フィレンチェのアカデミーにはミケランジェロの大広間あって、そこには岩から自分自身を引きちぎって出ようとする人間の像が幾つかあるそうですが、そんな印象を持ちました。
 インターナショナル・マイナーズ・ミッションのS氏を経由して私のもとに届いたワンセー師のひ孫N氏の情報は、100年という時間を縮め、平面から立体へ、静止画から動画へと変化をもたらしてくれました。